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京都大学准教授の中野剛志さんと漫画家の小林よしのりさんが雑誌「SAPIO」で対談した内容についての橋下市長に反論がありましたが、さらにそれに対する反論をラジオ番組「夕焼け寺ちゃん」で出演者の中野剛志さんと三橋貴明さんらが行いました。それについての模様を文章で書き起こしました。

中野剛志氏に対する橋下氏の反論↓

橋下徹ツイート


橋下徹の罵倒に対する、中野剛志の反応

寺島アナウンサー)先程からお話しております、地元大阪では圧倒的な支持を得ております大阪 橋下市長なんですけど、ツイッターもマメにしてますねー。

三橋貴明)本当にマメにしてますね。

寺島)で、非常に目の前で言いづらいんですけど、中野さん、結構やられましたね。

中野剛志)そうらしいですね。

寺島)あ、聞いてませんか?

中野)人から聞きました。僕、ツイッター見ないんで知らんです。

寺島)ええ、で 三橋さんの話題なんかも出てきててね。

三橋)ああ、そうみたいですね

寺島)雑誌「SAPIO」でも中野さんと漫画家の小林よしのりさんの対談を受けて 橋下市長が色々と反応したということなんですけど、中野さん 「SAPIO」でどういう発言をされたんですか?

中野)どれが気に触わったかわからないですけど、これ皮肉なんですが こういうことを言ったんですよ。「テレビとかで下品な悪口とか、人を罵倒したり、あるいはツイッターで人の悪口を延々と書き連ねているような人がこの国を変えるなんて勘弁してくれ」と。「政治家としての資質がないんじゃないか」ということを言ったら、ツイッターで資質がないことを証明しちゃってるということなんですけど(笑)。

寺島)つい先日、橋下さんは毎日新聞の女性記者に30分くらいバトルを展開したっていうことなんですけど、なんというかこう、戦うのが好きという・・・

三橋)戦うのが好きと言うよりも、よくそんな時間があるなーと思うわけです。中野さんへのツイッターでの粘着も5日間くらい行われて、その間に私たちの本を読んだりしてるので、なんか代わってほしいですねー、私そんな時間全然ないんで。すごいですよね。

中野)延々と悪口を垂れ流されるのは誰だって嫌なもんですよね。そうすると、「面倒さいから関わるな」「批判なんてしないでおこう」「相手にしてもしょうがないから」とオトナの人ほど諦めたり、逃げたりするじゃないですか。別にそれは 大人の振る舞いというか 君主危うきに近寄らずということですよね。もしかしたら、それをやって自分への批判させないようにする、つまり、粘着することで相手を黙らせるので、これを粘着テープと言ってですね(笑)、粘着テープを口に貼って黙らせるとか、そういうことかもしれないですね。

寺島)私もこの前の毎日放送の一件で、もしかしたらこれは作戦で、注目を集めるように絶えずネタを作ってるのかなと思ったんですが、これはちょっと違うんですかね?

三橋)そこまでしなくても注目は集めてますよね。逆に、私がやるんだったらわかるじゃないですか。私が5日間 橋下さんの悪口をツイッターで書くとかね(笑)。

寺島)だけど、藤井聡さんという方がね、

中野)私のボスですね。

寺島)ええ、おもしろい解釈をされていますよね。これ、ちょっとご紹介頂けますか?

中野)はい。「橋下さんと討論してくれ」とかですね、「議論したらどうですか」とか言われたりしてそういう話をしてたら、藤井先生がそれについて書かれてたんですが、橋下さんが2003年に出してた本で「最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72」という本で今絶版みたいなんですけど、そこにこう書いてあるというんです。

交渉の途中で自分の発言の不当性や矛盾に気づくことがたまにある。運悪く相手に気付かれてしまったら仕方がない。こんな時、私がよく使うテクニックがある。相手に無益で感情的な論争をわざとふっかけるのだ。さんざん話し合いを荒らしまくって最後に決め台詞に持っていく。『こんな無益な議論はもうやめましょうよ』『こんなことやってても先に進みませんから』。自分が悪いのにこうやって終わらせてしまうのだ。これは有効だと思う。

こういう態度の人と会って議論とか討論とかして、何の意味があるのかなと。

三橋)弁護士さんの裁判所におけるテクニックなんですかね?

中野)もっとすごいのは、三橋さんは 維新の会は政策的に何やってるのかわからないから批判のしようがないと仰りましたが、私も 中身が無い上に これは今月の文藝春秋にも書きましたが橋下市長が大阪知事になる直前の2006年くらいに「まっとう勝負」という本をお書きになってて、なぜかこれも絶版になってるんですけど、そこでこう仰ってるんですね。

政治家を志すというのは、権力欲・名誉欲の最高峰だよ。自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民の為、お国の為に奉仕しなければならないわけよ。嘘をつけないやつは、政治家と弁護士にはなれないよ。嘘つきは弁護士と政治家のはじまりなの。

とこう書いてるわけです。よく橋下さんの言っていることについてどう思いますか?って聞かれるんですけど、嘘ついてるんだから、聞かれても困っちゃうなというのはあるわけです。そういうことを考えると、支持が高くて国選に出てきて世の中良くなりますか?と聞かれても、もちろん政策次第なんだけど、それ以前の問題なんじゃないかなと思うわけですね。

寺島)絶版になってて良かった、って本人は思ってるでしょうけどね(笑)。


フランス大統領選の結果とサルコジについて

寺島)社会党のフランソワ・オランド前第一書記が現職のサルコジ大統領に勝利するという結果が出ました。現職のフランスの大統領が再選を逃したのはおよそ30年ぶり。オランド氏の得票率が約52%、サルコジ氏はおよそ48%。こういう結果が出ました。まずは三橋さん、この結果をどう捉えてますか?

三橋)今のフランスの失業率は10%なんですね。日本の倍以上です。これはなぜかというと、もちろんユーロの中でバブルが崩壊したから。フランスもバブルだったんですね。バブルが崩壊して、物価上昇率が下落して 要はデフレ化している時に 日本でやっているのと同じような増税と政府の支出削減の緊縮財政をすると、これも日本と同じで名目GDPという国民の所得の合計がだんだん小さくなっていって、税収が減るんですね。結果的に財政が悪化して、また緊縮財政をするという悪循環に突っ込んでしまうんですけど、その過程で 国民がどんどん失業して貧しくなっていくと。これはですねー、政権がそういうことをやっている以上、国民が民主主義に則って、NOと言わなくちゃいけないと思ってたんだけど、ちゃんと言ったんです。というのが、今回のフランスの結果。

中野)フランスの経済に関しては、三橋さんが仰った通りなんですね。ちょっと別の視点から見てみると、サルコジという人はですねー、・・・あ、そうだサルコジの方が年上だから、サルコジ「さん」って呼ばなきゃいけないんだ。。丁寧に「お」も付けましょうか、「おサルコジさん」(一同爆笑)。

で、この人 おもしろい人なんですね。おもしろいって、どういうことかというと、彼は元々 ヌイイ市の市長で、すごくテレビによく出ていて劇場型で、政治論争をやって人気を博したと。彼の政策というのは、いわゆる小泉純一郎のような新自由主義的な構造改革を進めるようなタイプです。それから、テレビによく出て、過激で攻撃的な発言を繰り返したり、下品な悪態をついたりするんですね。「おまえが消えろ、コノヤロー」とかですね「社会のクズだ」とかですね、そんな発言をするんですけど、逆にそれで人気が出ると。それで、敵を見つけては叩くとかですね、口からでまかせを言ってそれでいて今度は全く反対のことを涼しい顔をして言う、と。自己顕示欲の塊、自己陶酔、ナルシストなんですね。エマニュエル・トッドも、彼をそういう人だと批判しているんですけども、ちなみにこのサルコジさんという方は弁護士なんですね(笑)。

寺島)どこかの人と似ているなー(笑)

三橋)もう一つ似ていることがあって、保守的な方にウケることをやるんですよ。

中野)そうそう、右派なんです。

三橋)例えば、中絶問題は保守的な人たちに喜ぶような発言をするわけですね。同じとは言わないが、本当に似てるなーと思います。


フランス大統領選の結果とサルコジについて

動画はこちらからどうぞ。




最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術―かけひきで絶対負けない実戦テクニック72橋下徹「まっとう勝負」


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